筋鉄門

筋鉄門周辺地図

ポイントの座標は地図の中心に設定しています

本丸の正門です。伏見城からの移築といわれることも多いですが、文献において移築と記載されたものはひとつもありません。

二の丸にあった「鉄門」は移築が伝わっていますので、近代にこの門と取り違えた、あるいは箔付けのため故意に混同させたのかもしれません。

この門は、いわばVIP用の門であるため通常は閉ざされ滅多に使用されることはありませんでした(通常の出入口は台所門が用いられていました)。

筋鉄門は廃城後も取り壊されることなく、明治、昭和期には解体修理が行われましたが、この際にかなり質の悪い木材が使われたようで、門を入って上を見上げると「節穴」が空いているのがわかります(通常は防備城重要な役割を担う施設の床板このような薄板を使うことはありえません)。

なお、内部から見ると柱にほぞ穴が多数開いているなど古材が使われた形跡があり伏見城移築説の根拠とされることもありますが、移築であれば関係ない場所にほぞ穴を開けませんので、であくまで古材が使われているということを示しているに過ぎません(伏見櫓のように移築を示す墨書も見つかっていません)。

1933年(昭和8年)に伏見櫓、御湯殿とともに国宝(現在の国指定重要文化財相当)に指定され、1945年(昭和20年)の福山空襲でも被害を免れ現在は伏見櫓とともに現存する遺構として国の重要文化財に指定されています。